セビリアの理髪師‣山形公演

GKK賞受賞者 小堀勇介氏の活躍

                           楽都郡山を考える会会員                               佐藤律子

 去る6月12日、日生劇場にて催された日生オペラ「セビリアの理髪師」でGKK賞受賞者小堀勇介氏がアルマヴィーヴァ伯爵役で出演と知り、楽都郡山を考える会会長大槻順一氏と共に観てきました。

 「セビリアの理髪師」はロッシーニが作曲したオペラ喜歌劇の最高傑作と言われています。

あらすじはアルマヴィーヴァ伯爵が恋するロジーナには彼女をお嫁にする為に囲い込みをするバルトロ医師がいる。その監視の目をフィガロという理髪師の策略に助けを借りて思いを遂げる。その経過が変装したりだましたり喜劇的要素たっぷりの歌劇です。

 開演前、日本人は元々喜劇的表現が不得手なので舞台の仕上がりはどうかなと思いましたが、最近はスタッフ各々が世界でのオペラ舞台製作での経験を積んできているようで、演出はもちろん舞台転換も鮮やかで、出演歌手も歌唱・演技とも充実して素晴らしい舞台でした。

 第一幕、伯爵が恋するロジーナに近づくため酔っ払い兵士リンドーロに変装しての小堀さんのアリアは声量もありとても良い出来栄えでした。そして二幕目、伯爵が音楽教師の弟子に変装しての喜劇的表現はアッと驚くほど可笑しく会場の笑いを誘い、終幕ではロッシーニならではの早口と軽やかな装飾音で飾り立てられたなかでの情感あふれる難しいアリアを見事に歌い上げ、拍手喝采を浴びました。小堀勇介氏の今後のご活躍を大いに期待したいと思います。

 尚、この公演の成功を受け12月10日(土)やまぎん県民ホール(☎023-664-2204)での再演が決定されました。楽しくも素晴らしいオペラ「セビリアの理髪師」を山形まで出かけて観られては如何でしょうか。